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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・①彷徨うレオーヌ

 【26//2011】

生命体

無限に広がる大宇宙・・・w

その広大な宇宙空間の中に、安住の地を求めて彷徨い続けている生命体の姿があった。

『一体、どれだけの数の星を訪ねたら、ワタシが安心して暮らせる星が見つかるのだろう・・・』

白光に包まれたその生命体は、放浪の旅を続けなればいけない我が身を呪っていた。


“彼女”には、生まれた頃の記憶がなかった。

気がついた時には、今のように白光に包まれた状態で、宇宙の闇の中を彷徨っていた。

“彼女”は安住の地を探す為、様々な惑星を訪れてみたものの、“彼女”の事を受け入れてくれる星は一つもなかった。

“彼女”がその実体を見せた瞬間、ほとんどの惑星の生命体は、自分達とは異形の“彼女”を「脅威」とみなし、追放しようと攻撃した。

あるいは逆に、文明や力を持つ惑星では、まだ生きる術を知らない“彼女”の事を、「研究材料」や自分達に都合のいい「奴隷」として扱おうとした。

新しい星を見つけては訪れ、その度に危険な目に遭って逃げ出すという日々を、“彼女”はずっと今まで繰り返してきたのだ。


『一体ワタシは何処の星で生まれたの?ワタシが生まれた星だったら、きっと静かに暮らせるのに・・・

“彼女”はこれまでの経験から、「自分が暮らせる星」は、自分の生まれた星か、あるいは自分と同じ種族が棲む星しかないと思った。

しかし生まれた頃の記憶がない“彼女”は、自分の生まれた星も、種族も知らない。


『ワタシは一体何者なの?ワタシの記憶の中に残っている唯一の言葉・・・“レオーヌ”・・・』


ある惑星

レオーヌは安住の地を求め、とある惑星に降り立っていた。

そこには生命体の存在はなく、レオーヌにとっては願ってもない「休息の地」であった。

「でも・・・ここで暮らしていく事はできない・・・・」

レオーヌはこれまでに何度も、こういった「生命体のいない惑星」に立ち寄っていた。

そういった惑星は、外敵に狙われる心配がないので、「休息」にはうってつけの場所である。

しかし「生命体のいない」惑星は、言い換えれば「生命体が暮らしていけない」惑星である可能性が高い。

だからそういう惑星は「安住の地」ではなく、あくまで「休息の地」でしかないのだ。

怪しい気配

実体化したレオーヌは、この惑星を調査してみようと、辺りを探索しているところだった。

「あれっ、何だろう?・・・この感じ・・・」

レオーヌは、生命体がいないはずのこの惑星で、何かの気配を感じていた。

『まさか・・・・』

この時レオーヌの脳裏に、ある惑星で体験した“恐怖”が過ぎっていた。

Category: ②『レオーヌ地球へ』

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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・②遭遇

 【28//2011】

それは“オーガ星”にいった時の出来事だった。

その星には、生命体が生活している形跡がなく、レオーヌがそこで休息しようとしたその時、

“キャアアアッ!!!”

レオーヌピンチ

突然、醜悪な姿をした巨人が現れ、全く無警戒だったレオーヌはいとも簡単に捕まってしまう。

“グヘヘヘヘヘ・・・・・”

巨人は高らかに不気味な笑い声をあげ、手中に捕らえたレオーヌを見て、涎を垂らしながら豊満な乳房や秘部を弄り回してくる。

『クウッ!!・・・アウッ!!・・・』

レオーヌは必死に抵抗を試みるも、巨人の力は圧倒的で、全く微動だにしない。

ピンチ2

他の惑星では『巨人』の部類に入る事もあるレオーヌだが、その巨人は自分よりもはるかに大きかった。

その醜悪な巨人は『オーガ星』の種族で、知能よりも肉体がはるかに発達しているのが特徴だった。

その為行動も原始的で、普段は身を潜めていて、迷い込んできた他の種族を獲物にするという無計画な生活を続けている為に、文明や生活の痕跡が無かったのだ。

“ダメッ!このままじゃ・・・”

レオーヌはどうにか逃げようとするが、巨人はその微かな抵抗さえも楽しむかのように、レオーヌの体にむしゃぶりついている。

やがてその仲間である巨人達が数体現れ、好奇の笑みを浮かべながら、囚われの身となったレオーヌに向かってくる。

“もうダメ・・・・”

絶体絶命の状況に、レオーヌが半ば諦めかけていたその時、


救世主

突然辺りに閃光が煌き、レオーヌを抱えていた巨人がその場に倒れ込んでしまう。

“えっ、何?”

その場に放り出されたレオーヌが振り返ると、自分を捕まえていた巨人は意識を失っていて、その後方にはオーガ星の種族とは違う、銀色の巨人の姿が。

謎の影

「さあ!早く逃げるんだ!!」

銀色の巨人にそういわれ、恐怖でパニック状態に陥っていたレオーヌは礼を言うのも忘れて、一目散にその場から飛び立っていく。

オーガ星を後にするレオーヌの姿を見守る銀色の巨人に、倒された巨人の仲間達が一斉に襲い掛かったが、次の瞬間、巨人達は皆その場に崩れ落ちていた。


怪しい気配

「あの時もし、あの人がいなかったら・・・・」

レオーヌはオーガ星で自分を救ってくれた銀色の巨人の事を思い出していた。

しかし完全にパニック状態だった為に、その巨人の顔もろくに覚えていなかった。

しかし今ここにその巨人がいる訳ではなく、もしオーガ星でのようなアクシデントが起ったら、自分は大丈夫なのだろうか?

そんな不安を抱えながら、気配の主を探していたその時、

「もしかして、ワタシの事を探しているのかい?」

“!!!”

突然声が聞こえ、レオーヌはあわてて声の方向を振り返るが、そこは岩陰になっていて、真っ暗で何も見えない。

そしてレオーヌがじっと目を凝らして見ると、闇の中に2つの目が光った。

謎の宇宙人

“キャッ!!”

レオーヌが思わず驚きの声をあげると、闇の中から笑い声が聞こえてくる。

「ハハハハ・・・ひどいなあ・・・ワタシから見れば君だって、相当怖いけどなあ・・・」

声の主はそういうと、レオーヌの前にその姿を現した。

「アナタは・・・」

目の前に現れたのは、レオーヌが初めて見る種族の人間だった。

見慣れない姿をしているだけに、不気味な感じはしたものの、不思議と敵意のようなものは感じられなかった。

「故郷を失った放浪者さ。もしかして、君も同じかい?」

「ワタシはレオーヌ。生まれた星は・・・わからない・・・」

「わからない?じゃあレオーヌって名前は誰が・・・」

「気がついた時には、宇宙を彷徨っていたの。でも頭の中に“レオーヌ”って言葉だけが残っていて・・・だから多分それが、自分の名前だと思うの・・・・」

「そうか・・・見た感じ若いのに、随分苦労してるんだなあ・・・」

その宇宙人は理知的な印象で、おそらくレオーネよりもはるかに年上なのだろう。

これまでの不遇な人生のおかげで完全に「人見知り」になっていたレオーヌだが、その宇宙人には不思議と話しやすい印象を感じていた。

Category: ②『レオーヌ地球へ』

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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・③地球へ

 【29//2011】

謎の宇宙人

レオーヌはふと立ち寄った惑星で出会った宇宙人と会話しているところだった。

これまで孤独な時間を過ごしてきたレオーヌは、自然と話し相手を欲していたのかもしれない。

「あの・・・さっき『故郷を失くした』って・・・」

「ああ・・・ワタシが暮らしていた星は、随分昔に消滅してしまってね・・・」

「そうなんですか・・・・」

「でも、消滅する前に『移動宇宙都市』が開発されていたので、そっちに移り住んでいたんだ。」

「移動宇宙・・・都市?」

「簡単に言えば自分達の力で自由に動ける都市さ。だけどある日、その動力源が故障して、ある惑星とぶつかりそうになったんだ。」

「えっ?」

「それでワタシはその惑星に乗り込んだんだ。もし都市の軌道修正が間に合わなかったら、その星を爆破する為にね。」

「!!」

「でも・・・その前にワタシ達の都市が、その星の兵器によって爆破されてしまったんだ・・・」

「そっ、そんな・・・」

「まあ、そうしなければ、彼等の星の方が滅んでたからね・・・それに、ワタシがその惑星で出会ったのは、とても優しい人達だった・・・ワタシを『異星人』と知りながら、色眼鏡で見たりはしなかった・・・今となっては、『あの星』が滅ばなくてよかったと思ってるよ・・・」

「・・・・・」

レオーヌは彼の話を聞いて複雑な気持ちになっていた。

これまで、生まれた星の事を知らない自分をとても不幸だと思っていた。

でも今話している宇宙人は、生まれた星を失くし、住んでいた都市を破壊されてしまったのだ。

自分が知らないだけで、生まれた星が何処かにあると思えるだけ、まだ自分は幸せなのかもしれない。

レオーヌがそんな風に考え込んでいると、宇宙人はそんなレオーヌを見て、何かを思い出したように話し始めた。

「君は、『生まれた星がわからない』って言ったよね?」

「はい・・・」

「今思ったんだが・・・君は『光の国』の種族によく似ている・・・」

「えっ?!」

これまで自分の生い立ちに関して、何の手がかりも持っていなかったレオーヌにとって、その話は衝撃的であった。

「でも、『光の国』の種族とは、少し違う・・・待てよ?確か、『光の国』の種族と、非常によく似ている種族がいるって・・・」

「そ、それは一体、何ていう星なんですか?!」

もしかしたら自分の生まれた星が分かるかも知れない。

そう思ったレオーヌは、知らず知らずのうちにその口調も興奮していた。

「あれは・・・そう。『獅子座L77星』だ・・・」

「獅子座・・・L77星・・・」

「だけど・・・確かその星は消滅してしまったはずだ・・・その頃、君はまだ生まれていないんじゃないかな・・・」

「消滅・・・・」

宇宙人はまだ若いレオーヌを見て、彼女が『L77星』生まれではない事を確信した。

レオーヌも、そんな彼の態度を見て、落胆の気持ちを隠すことが出来なかった。

「でも、君が獅子座L77星人ではないと、決まった訳じゃない。ワタシのように、他の星で生きている星人がいるかもしれないからね・・・」

宇宙人はまるでレオーヌを慰めるかのようにそう声をかけた。

するとここでレオーヌが、ある事に気づく。

「そういえば、ワタシが『何とかの国』の種族に似てるって・・・」

「ああ、『光の国』のことかい?さっきワタシは昔『ある惑星』を爆破しようとしたって言ったけど、その惑星で出会ったのが、『光の国』の人間だったんだ。」

「光の国・・・」

レオーヌは、オーガ星で自分を助けてくれた、銀色の巨人の事を思い出した。

謎の影

あの時パニック状態で、逃げるのに精一杯だったレオーヌは、その巨人の顔をハッキリ見る事が出来なかったが、姿形が自分に近い事に気づいていた。

それまで色んな星を訪れたレオーヌだが、自分と似たような種族に出会ったのはそれが初めての事であった。

“ひょっとして、あの人も『光の国』の人だったのかも・・・”

レオーヌがそんな事を考えていると、宇宙人は何か思いついたように、レオーヌに話し始めた。

「そうだ。君も一度『あの星』に行ってみたらどうだい?ワタシが『光の国』の人間と出会った『あの星』に・・・」

「えっ?」

「実はその時、ワタシは既にその星に爆弾を仕掛けていたんだ。でもそれを宇宙に持ち出して、その星を救ったのが、光の国の彼だったんだ・・・」

「えっ?自分が生まれた星じゃないのに、そんな危険な事を・・・」

「彼はその星の人間に変身して暮らしていたんだ。きっと、あの星の事が大好きだったんじゃないかなあ・・・」

「生まれた星じゃないのに・・・大好きな星・・・」

レオーヌは、その光の国の人間が暮らしていたという星の事が気になっていた。

「でも・・・その人は、星の人間に変身してたって・・・・」

「ああ。さすがにそのままの姿では不便だし、中には怖がる人もいるだろうからね。」

「でもワタシ、色んな星に行ったけど、その星の人の姿になるなんて・・・。」

「君には変身能力はないのかい?まあワタシも出来ないから、こうやって闇を作って潜んでるんだけどね(笑)。だけど、光の国の彼は見事にその星の人間の姿になっていた。最初はワタシも気づかなかったからね。多分他の星と比べたら、あの星の人間には変身しやすいんだと思う。特に君は『光の国』の人間に近い種族のようだから、きっと変身できるんじゃないかな・・・・」

「・・・・・」

レオーヌは話をしているうちにますますその星に対する興味が沸いていた。

他の星の種族が必死になって守ろうとしていたという、その星の事を。

そこが「安住の地」ではなかったとしても、その星に行くことで、何かが見つかるかもしれない。

「あの・・・ワタシ、その星に行ってみようと思います。」

「そうか。それじゃあ、場所を教えてあげるよ。」

「あっ、それと・・・」

「?」

「もしよかったら、ワタシと一緒に行きませんか?その星に・・・」

「えっ?」

レオーヌに誘われた宇宙人は一瞬戸惑った後、「ハハハ」と笑い声をあげた。

「やめておくよ。ワタシの住んでいた街を破壊した星だし、ワタシも一度は爆破しようとした星だからね・・・」

「そうですか・・・・」

「ワタシはこれからも気ままな放浪の旅を続けるよ。それと、君に一つ教えてあげよう。」

「?」

「違う星の人間と共存していくには、“信頼”が大事だ。だけど、“信用し過ぎない”って事も大事だ。」

「信用・・・し過ぎない・・・・」

「君はワタシの話を聞いて、『あの星』に行く事を決意した。だけどもしワタシが嘘をついていたとしたら?」

「えっ?」

「無論、ワタシは嘘はついていない。だがワタシもあの星の全てを知ってる訳ではない。何かが起きて傷つくのは君自身だ。優しくされて信用するのもいいが、相手は君の事を利用しているだけかもしれない・・・・」

「・・・・・」

「君が『何かおかしい』と感じたら、時には相手を疑ってみることだ。『おかしい』と感じた自分の感覚を信じるんだ。」

「・・・はい。」

「あの星で、君も大事な何かを見つけられればいいね。」

「ありがとう。」

レオーヌはその宇宙人に見送られながら、その星を飛び立った。


あの星へ

「この星だわ・・・」

レオーヌはある惑星に接近していた。

あの宇宙人に教えてもらった惑星「地球」である。

しかしこの時レオーヌは、その惑星から誰かが自分を呼んでいるような気がしてならなかった。

Category: ②『レオーヌ地球へ』

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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・④謎の女

 【30//2011】

地球

“誰だろう・・・ワタシを呼んでるのは・・・”

地球にやってきたレオーヌは、自分が何者かに呼ばれているような気がしてならなかった。

その者は、自分が地球に来る事を知っていたのか、それとも偶然レオーヌの存在を知っただろうか?

日本

レオーヌは自分の姿を消したまま、辺りの光景を見回していた。

「これが、地球・・・・」

地球は、自分が予想していた以上に文明が発展していた。

そしてそこに暮らす生命体は皆、自分よりもはるかに小さい事に驚いた。

「ワタシは、彼等と同じ姿に変われるのかな?・・・」

あの宇宙人は、自分なら変身できるだろうといっていたが、本当に変われるものなのだろうか?

見回してみると老若男女様々な生命体の姿が見える。

「・・・・・」

レオーヌは観察しているうちに、自分が地球ではどの生命体に該当するのかという事に気が付いた。

レオーヌは街行く人の中から、自然と「若い女性」の姿をピックアップしていた。

「どんな姿になれば・・・」

つぶさに人々の姿を観察していたレオーヌの目に、一人の少女の姿が飛び込んでくる。

女子高生

その女子高生はなかなかの美少女で、彼女が通り過ぎるたびに、通行人の男達はそのスカートが短めな美少女の姿を振り返っていた。

その少女の姿が目に付いたというのも何かの暗示なのだろうと思ったレオーヌは、自分の体のサイズを縮小しながら、ビルの屋上に向かっていく。

その女子高生に目を奪われていた男達は、ビルの屋上からその光景を眺めている彼女と瓜二つの女の子の存在に、気付く筈もなかった。

ビル

レオーヌはとりあえず、そのビルの中を歩き回って見ていた。

そのビルはいわゆる大型店舗で、フロア毎に様々な種類の店舗が入っている。

レオーヌが立ち止まったのは、映像ソフトや音楽ソフトを販売しているフロアだった。

テレビ

店頭に置かれたテレビには、この星の娯楽と思われる映像が流されていた。

いわゆる「お笑い」のDVDなのだが、当然レオーヌはその事を理解していなかった。


“ハイどうも~・・・・いやあ、ホント今日は、真冬並みの寒さですね~!!”

“安心してください。彼女はいませんよ!!”

“・・・・・まあ、いてくれた方が安心なんですけどね!”


テレビの中では大爆笑が起っていたが、レオーヌにはその意味も分からなかった。


『オートリ?・・・・マフユ?・・・・』


それでも何とかこの星の文化を理解しようと、レオーヌがじっとその映像を見続けていると、そんなレオーヌの肩をポンポンと叩く人物が。


「?」

謎の女

振り返ったレオーヌの前に立っていたのは、この場所にそぐわない派手な印象の美女であった。

「ダメじゃないの~、制服でこんなトコうろうろしてちゃ~!!」

馴れ馴れしい態度で声をかけてきた女に対し、レオーヌは思わずうろたえてしまう。

『まさか・・・・あの女の子の知り合い?』

レオーヌはさっきまでこの近辺を歩いていた女子高生の姿に変身していた。

そうなると、彼女の知り合いにばったり出くわしたとしても、決して不思議なことではない。


「あっ、あの・・・人違い・・・」

しかし女はレオーヌの話を聞こうともせず、いきなりその手を引っ張っていく。

「いいから、いいから!」

「ちょっと、あの・・・」

女は有無をも言わさず強引に、レオーヌをその場から連れ去っていった。



女がレオーヌを連れて来たのは、とあるブティックだった。

着替え

「可愛いじゃな~い!似合う似合う!!」

女の言うがままに着換えさせられ、戸惑っているレオーヌをよそに、女はカードを出してあっという間に支払いを済ませてしまう。

「あの・・・」

「いいのいいの!そんな制服のまんまじゃ、遊びにも行けないでしょ!!」

「あっ・・・」

確かに言われてみれば、女の言う通りであった。

この星にいるのに、あの制服のままでずっといる訳にも行かないだろう。

「あっ、ありがとう、ございます・・・」

レオーナがぎこちない口調で礼を言うと、女はニコリと笑い、その視線をレオーヌの手元に向ける。

指輪

「綺麗な指輪ね・・・」

「あっ!こっ、これは・・・」

左手にはめた指輪の事を指摘されたレオーヌは、咄嗟に平静を取り繕おうとしたが、言葉がしどろもどろになっていた。

女はそんなレオーヌの姿を見て、意味深な笑みを浮かべている。

「それじゃあ、行こっか?」

「えっ・・・」

「いいから付いてきなさい!」

女はそういうと、足早に店から出て行き、レオーヌはあわててその女の後をついていく。

「あの・・・一体何処へ・・・」

レオーヌが声をかけると、女は振り返りもせずに答える。

「アナタの住むトコロ!」

「えっ・・・」

「探してるんでしょ?」

「あっ・・・ハイ・・・」

何もかもお見通しといった女の言動に、レオーヌはただただ頷くことしか出来なかった。


Category: ②『レオーヌ地球へ』

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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・⑤敵か味方か

 【01//2011】

マンション

レオーヌが女に連れて来られたのは、とある集合住宅だった。

『この人一体・・・』

レオーヌは女が何者なのかという事に、答えを出す事が出来なかった。

女は服装・住居と、レオーヌがとりあえず必要としているものを用意してくれた。

何となく『自分の敵ではない』という感じはするのだが、その目的が分らないし、もしかしたらこの星の人間ではないかもしれない。

しかしまだ若いレオーヌはそれを判別する能力を持ってはいなかった。

「さあ入って。」

レオーヌは、その集合住宅の一室に招きいれられた。

「どう?独りで暮らすのには十分でしょ。」

女の言う通り、独り暮らしには十分過ぎる間取りであった。

「あの・・・・どうして、ワタシに・・・・」

レオーヌは、なぜ自分にそこまでしてくれるのか、と素朴な疑問を口にしようとしたが、女は構う事無く話を続けた。

「あっ、家賃の心配はいらないから!」

「えっ?!」

「だってワタシ、ここの所有者だから。」

「!!」

「ワタシねえ、何軒もお店やってるの。だからお金には全く不自由してないし、あっ、他にもマンション持ってるから、ここが嫌なら言ってね。」

「いや、そんな・・・」

「女が手っ取り早く稼ごうと思ったら、その武器を使うのが一番早いのよ・・・まあ、アナタに同じ事しろとは言わないけどね・・・・」

「・・・・」

レオーヌは、その女が自分の知りたいと思ってる事を、自分が聞く前にベラベラと話している事に気が付いた。

それはまるで異星人である自分に、この星の文化や、この星で生きていく術を教えてくれているような気がした。

やはりこの女はこの星の人間ではないんじゃないか?

確証はないが、レオーヌはそんな風に思い始めていた。

メアリー

「あっ、そういえばまだ名前言ってなかったわね。ワタシは『メアリー』。御店でそう言ってるから、普段もそう呼ばれてるわ。」

「ワタシは、レオーヌ・・・」

「プッ・・・ちょっとアナタ、どう見ても日本人じゃないのよ!ワタシの真似しなくっていいから・・・」

メアリーは大げさに笑っているが、レオーヌにはその意味が分からなかった。

しかしメアリーは急に真顔に戻り、

「で、名前は?」

と、もう一度レオーヌに聞いてきた。

この時レオーヌは、うかつに自分の名を語る事がいかに危険な事かという事に気づいた。

真冬

「あっ、あの・・・オオトリ、マフユ・・・」

レオーヌは咄嗟に、先ほど耳にした単語を並べて口にした。

「へえーっ・・・マフユちゃん。いい名前じゃない・・・」

メアリーは満足そうにそう言った後、自分のポケットから手帳を取り出して何かを書き込むと、その紙を破ってレオーヌに渡した。


“鳳(おおとり)真冬(まふゆ)”


「漢字はそれでよかったかしら?」

メアリーにそう言われたレオーヌは、あわてたように頷いた。

“そうか・・・この星の文字ではこう書くんだわ・・・”

レオーヌはまた、メアリーと名乗る女に“地球でのルール”を教えられていた。


その後もメアリーは、レオーヌが地球で生活する為のあらゆる準備を手伝ってくれた。

メアリーは必要以上にレオーヌの事を“真冬ちゃん”と呼び、レオーヌに“地球上での名前”を意識させていた。

さらにメアリーは「お金が必要なら、好きなだけ使え」と、“真冬”に数枚のカードを与えた。

真冬

「メアリーさん、ワタシ、ちゃんと働いてお金を稼ぎたいんです!」

「どうして?お金の心配なんてしなくていいのよ。ワタシ一人じゃどうせもてあましちゃうから、真冬ちゃんが使ってくれた方が嬉しいわ?」

「でも、メアリーさんにこれ以上お世話になる訳にいかないし、それにワタシだってこの星のルールを・・・」

「真冬ちゃん。アナタみたいな“世間知らず”さんが社会に出ても、足手まといになるだけだわ。まあワタシみたいな商売すれば、アナタでも稼げるだろうけど、悪い奴に利用されるのがオチよ。そんなにあせらなくっても、もうちょっと“社会勉強”してからでも遅くないんじゃない・・・」

「メアリーさん・・・」

「真冬ちゃん。ワタシがお金使っていいって言ってるんだから、アナタはそれに甘えていいの。ワタシの事を利用すればいいの。“世の中”持ちつ持たれつ・・・世渡り上手になんなきゃダメよ。」

真冬はメアリーに何も言い返す事が出来なかった。


「でもメアリーさん。何でワタシにこんなに親切にしてくれるんですか?アナタには何の得にもならないんじゃないですか?」

「真冬ちゃん、それは違うわよ。ワタシもアナタを利用させてもらってるの。」

「えっ・・・」

「ワタシね・・・しばらく“ココ”を離れなくちゃいけなくなったの・・・その間、誰か代わりにいてくれないかなって思ってたら、ちょうど真冬ちゃんに出会ったのよ。」

「やっぱり・・・ワタシを呼んでたのは、メアリーさんだったの・・・」

「呼んだ?住む所を探してたのは、真冬ちゃんの方じゃないの。だからワタシは声をかけたのよ・・・」

「・・・・・」

「真冬ちゃん・・・気づいてないの?アナタ、ワタシにここまでしてもらったら、“ここ”を簡単に離れる事なんて出来ないんじゃないの?」

「えっ?」

「本当は真冬ちゃん、どうしても“ここ”にいなきゃいけない理由なんてないんじゃない?他の場所に行きたくなったら、自由に行けるんじゃない?でも、真冬ちゃんは“ここ”を離れられないわ・・・少なくともワタシが“ここ”に戻ってくるまでは・・・」

「メアリーさん・・・」

メアリー

「ね?わかったでしょ?ワタシもアナタの事、利用してるのよ。だけどね、ワタシが戻ってきても、アナタが“ここ”にいたいって言うんだったら、いればいいのよ。ワタシ他にも物件持ってるから、わざわざここに住む必要ないし。」

メアリーはそう言うと、真冬に向かって悪戯っぽい笑みを見せた。



Category: ②『レオーヌ地球へ』

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プロローグ2『レオーヌ地球へ』・・・⑥この星で

 【02//2011】

レオーヌが地球に訪れてから数日後。

真冬の携帯に一通のメールが入った。

●phone

差出人はメアリーだった。

この真冬が使っている携帯も、メアリーが買ってくれたものである。

“真冬ちゃん、ワタシしばらく日本を離れる事にしたから。Good Luck!”

「メアリーさん・・・・・」

真冬はメアリーと出会ってからずっと、メアリーと奇妙な共同生活を送っていた。

その間、メアリーは様々な事を真冬に教えてくれたが、結局メアリーは自分の素性を明らかにはしなかった。

そしてメアリーも、真冬の素性を聞くことは一度もなかった。

真冬屋上

その夜。

真冬は自分が住むアパートに屋上にいた。

「メアリーさんはやっぱり、地球人じゃなかったんじゃ・・・」

これまでのメアリーの発言や行動は、どう考えても「異星人」である自分に、地球上で生活する術を教えてくれたとしか思えなかった。

真冬の“軽率な”発言も問いただすような真似はせず、さらりと受け流しながらも、自分に“地球人としての”発言をするように、巧みに促していた。

メアリーが自分の事を語らなかったのも、真冬に何も聞こうとしなかったのも、この星で暮らすなら「余計な事」を話す必要はない、という警告だったに違いない。

しかしメアリーが異星人だという証拠は何一つ残されていないのだ。

「まだワタシには分らないことが多過ぎる・・・メアリーさんの正体も・・・メアリーさんが自分の味方なのか、敵なのかも・・・」


“違う星の人間と共存していくには、“信頼”が大事だ。だけど、“信用し過ぎない”って事も大事だ。”


真冬は、地球に来る前に出会った宇宙人の言葉を思い出していた。

考えてみれば、メアリーも彼と同じ事を自分に教えてくれたのかもしれない。


「ワタシにはまだまだ覚えなくちゃいけない事がいっぱいあるんだ。」


真冬は『ある決意』を胸に秘め、自分の両腕を真横に広げ、ポーズをとった。

ポーズ1

ポーズ2

“レオーーーヌ!!!”

変身

光るリング

レオーヌ変身


屋上から真冬が姿を消した直後、日本のはるか上空を飛び回るレオーヌの姿があった。

夜景

「なんて綺麗なんだろう・・・」

レオーヌはその美しい夜景を見て、心を奪われていた。


「この先どんな事があるか分らない・・・いつかはこの星を離れる事になるだろう・・・でも今は、この星で精一杯生きていく・・・・」



レオーヌが地球で暮らす決意をしていたその頃、そのはるか上空には、地球を後に去っていく謎の飛行体の姿があった。

謎の飛行体


プロローグ2『レオーヌ地球へ』 -END-

Category: ②『レオーヌ地球へ』

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